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夕方 磯波が発生する河口に進入して後部甲板に座っていた同乗者が 落水
K 号 : モーターボート 5.95メートル 園瀬川の係留地→沖洲川の係留地(回航)
船長:39歳 小型船舶操縦士免許 ボート経験4年 K号を中古で購入して初めての乗船
発生日時場所 : 平成17年9月3日18時15分(日没18時26分) 徳島県吉野川河口
気象海象     : 曇 北風 風力5 波高2メートル 東寄りのうねり 視界良好 上げ潮末期 
死傷者    : 同乗者1人死亡

海難の概要 http://www.mlit.go.jp/maia/04saiketsu/18nen/koube/kb1810/18kb071yaku.htm (本海難の裁決書)
 
K号は,台風の接近に伴い, 影響の少ない係留地に回航する目的で,園瀬川の係留地を発し,新町川から沖洲川を航行する予定で沖洲大橋に接近したところ,ちょうど満潮期にあたり,橋下 を通航できなかったため,吉野川河口を経由して沖洲川の回航地に向かった。
K号船長は,河口に白波が立っているのを認めたが,引き返すことなく,後部甲板に座らせた同乗者にライフジャケットを着用させないで進行し,右舷船尾から 波を受けて横揺れをしながら続航中,ひときわ高い波を受けて左舷側に大傾斜し,同乗者が落水して死亡した。

 
磯波が立っていたら「引き返す勇気」を!
河口,湖口,湾口など土砂が堆積して水深が急に浅くなる海域では,川の流れ,潮の干満,風やうねり等が複雑に影響し合って高波が発生します。
係留地が河口等の内側の場合,「あと少しだから」や「早く帰らなきゃ」といった思いから,磯波を認めてもそのまま進入して転覆や海中転落する海難が後を絶 ちません。
波に進入する勇気よりも,「引き返す勇気」,「別の港に避難する勇気」が必要です!
 
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