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S丸: モーターボート  5.38メートル 乗組員1人  同乗者2人  岡山県神島外港→白石島漁港
   レーダー,GPS装備なし
  船長:21歳 小型船舶操縦士免許(13日前に取得) S丸操縦 経験6回 夜間の航行経験なし
発生日時場所:平成15年7月15日01時00分 岡山県笠岡市高島及び明地島間の水道(高島西方水道)
気象海象  :晴 無風 視界良好 高潮 月齢15.2 月出20時51分
死傷者   :同乗者1人死亡,船長及び同乗者1人負傷  
海難の概要 http://www.mlit.go.jp/maia/04saiketsu/tokyou/tk18/17020yaku.htm  (本 海難の裁決書)
 S丸は,21時30分白石島漁港を発航して北上し,21時40分神島外港に到着後,船長が焼酎の水割り数杯の飲酒を伴う遊興を終えて, 00時52分白石島漁港への帰途についた。S丸は,高島西方水道の最狭部を南下後まもなく,神島外港に携帯電話を置き忘れたことに気付き,急きょこれを取 りに戻ることとして,右舵一杯として旋回したとき,往航時に視認した神島外港東側の道路の街灯を認めたので同灯に向け042度に定めたところ,高島北西端 に近接する水上岩に向首するようになった。ところが,S丸の船長は,この状況に気付かず,30ノットの速力に増速して進行中,水上岩に乗り揚げた。

  昨今,飲酒後の自動車事故の多発により,飲酒事故根絶への社会全体としての機運が高まる中,小型船舶においても,平成18年10月より,酒酔い操縦の数値 基準(呼気1L中0.15mg以上)が強化されました。平成14~18年の裁決を見ても,飲酒運航によるプレジャーボート海難が16件で,死傷者が29人 発生するという深刻な事態を招いていることがわかります。低濃度のアルコールでも判断力の低下など操縦への影響が出ることから,飲酒事故根絶に向けて,「ちょっとぐらいなら」といった意識を改め,操縦者の飲酒はもちろんのこと,同乗者が操縦者に 対して酒を勧めたり,飲酒運航を黙認したりすることは厳に慎みましょう。

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