今回は,視界制限状態における船舶の航法等について,海上衝突予防法等の関係条文(抜粋)をおさらいします。
霧中では,船長が必ず操船を指揮しよう!(船員法第10条)
 船長は,船舶が港を出入するとき,船舶が狭い水路を通過するときその他船舶に危険の虞があるときは,甲板にあって自ら船舶を指揮しなければならない。
航海灯の表示(海上衝突予防法《以下「法」という。》第20条第2項)
 視界制限状態においては,日出から日没までの間にあってもこれを表示しなければならない。
霧中信号を励行しよう!(法第35条第2項及び第3項)  航行中の動力船が行う霧中信号
減速して安全な速力で航行しよう!(法第6条)
 船舶は,他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように,常時安全な速力で航行しなければならない。
それでは,霧中航法(法第19条)を見てみましょう。
第2項  動力船は,視界制限状態においては,機関を直ちに操作することができるようにしておかなければならない。
第4項  他の船舶の存在をレーダーのみにより探知した船舶は,当該他の船舶に著しく接近することとなるかどうか又は当該他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断しなければならず,また,他の船舶に著しく接近することとなり,又は他の船舶と衝突するおそれがあると判断した場合は,十分に余裕のある時期にこれらの事態を避けるための動作をとらなければならない。
第5項 前項の規定による動作をとる船舶は,やむを得ない場合を除き,次に掲げる針路の変更を行ってはならない。
第1号
正横より前方に船舶がいる場合は,やむを得ない場合を除いて,左転することは禁止
第2号
正横又は正横より後方に船舶がいる場合は,やむを得えない場合を除いて,その船舶のいる方向に転針することは禁止
第6項 ・・略・・ 霧中信号を自船の正横より前方に聞いた場合又は自船の正横より前方にある他の船舶と著しく接近することを避けることができない場合は,その速力を針路を保つことができる最小限度の速力に減じなければならず,また,必要に応じて停止しなければならない。この場合において,船舶は,衝突の危険がなくなるまでは,十分に注意して航行しなければならない。
 
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