海難の概要 http://www.mlit.go.jp/maia/04saiketsu/18nen/nagasaki/ns1803/17ns048yaku.htm
(本事件の裁決書)
 N丸は,平漁港に向け航行中,霧のため視程が運航基準に定める入航中止条件の500m以下になったが,入航を中止することなく続航し,平漁港入口の防波堤に衝突して乗客23人が負傷した。
■ 運航管理体制

  K社は,運航管理規程に基づいて運航管理者等を選任し,運航管理体制を構築していた。しかし,長年のうちに,離島住民の公共交通機関として定時運航の維持を優先するあまり,運航基準を遵守するという意識が希薄化し,本来は旅客船の安全運航を目的としたものであったものが,過去にも何度か海難が発生したこともあって,次第に海難発生時の迅速な対応と処理に主眼が置かれるようになった。
 そのため,運航管理者は,事前に運航の可否について船長と十分に協議を行わずに,船長が出した結論について報告を受けるだけの形式的なものとなっており,運航管理体制が形骸化していた。


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