濃霧シーズンも終盤となった昨年7月14日から22日の間,紀伊半島東方沖の熊野灘から房総半島犬吠埼沖にかけて霧中での衝突海難が相次いで発生しました。
 熊野灘では,衝突直後に積荷に引火して炎上し,6人が死亡しました。また,犬吠埼南方では,外国船が沈没して9人が死亡・行方不明となるなど,悲惨な結果を招きました。
 平成15〜17年に裁決のあった霧中海難は,81件(年平均27件)で,4〜8月の濃霧シーズンに集中しています。 霧中海難の事例からは,レーダーによる他船の動静判断が十分に行われていないケースが多く見受けられます。船内研修や安全教育などの機会に,もう一度,レーダー機能の活用状況や動静判断の方法などについて確認してみてはいかがでしょうか。
 運航管理制度が旅客船のみならず内航船にも導入され,海陸一体となった安全運航への取組みが強く求められるようになりました。安全を最優先にした運航管理体制を構築し,これを十分に機能させて安全かつ円滑な海上交通を実現させましょう。
 
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