REPORT!  −居眠り防止装置いろいろ−
〜今回取材したLPG船の操舵室見取図〜

LPG船の居眠り防止装置の機能

 センサーの前方約60°の範囲が約20°毎に3つの領域に分割されている。当直者が,いずれかの領域内(@AB)にいると,人体から出ている赤外線をセンサーが検知し,それぞれの赤外線の検知量の増減により,当直者の動きを捕らえ,動きがあるとタイマーがリセットされ,警報ブザーは鳴らない。設定した時間内に赤外線の検知量に増減がなければ,領域内に人がいない又は動きがないとしてブザーが鳴る。検知可能な距離は約3mとなっている。
〜こんなタイプもあります〜

 赤外線センサー式のものは,LPG船の例のように操舵室後部の配電盤に取り付けられているタイプや,操舵室前部の天井などに取り付けているタイプのもの(写真左・下図)があります。当初は,電源スイッチが設けられていたため,スイッチを切っている船もありました。最近のものは,機関の操縦ハンドルを前進に入れた場合や,自動操舵に切換えたときに,自動的に電源が入るようになっており,乗組員が勝手に電源を切ることができないようになっています。
 また,乗組員の高齢化対策として,万一,当直者の体調が急変して倒れたときなどのために,床上の低い位置に非常ボタン(写真右)が取り付けられているものもあります。
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