(貨物船S号乗揚事件から)
発生日時 平成14年1月11日01時20分 来島海峡
気象等 曇、西風、風力1、下げ潮の末期、中水道は4.9ノットの北流
損傷 船底外板に4箇所に亀裂、バラストタンクに浸水
 
海難の概要
 S号(1,662総トン カンボジア王国船籍)は、船長ほか35人が乗り組み、木材約2,245立方メートルを積載し、1月7日07時00分ロシア連邦ボストーチヌイ港を発し、徳島小松島港に向かった。
 船長は、越えて11日00時30分昇橋し、二等航海士を補佐、操舵手を操舵にそれぞれ就け、折からの潮流に抗して8.0ノットの速力で、来島海峡航路を東行した。
 01時10分船長は、来島海峡航路西水道に向ける転針点に差し掛かり、操舵手に対して針路205度を指示したが、とるべき舵角を指示しなかったため、舵角が5度しかとられていなかった。
 その後、船長は、カーテンで遮蔽された海図室で西水道の状況を再確認していたところ、操舵手からの回頭しない旨の声を聞き、操舵室へ戻り自ら右舵30度をとったが、潮流の影響で舵が十分に効かず、馬島へ接近することから西水道への転針を諦め、中水道を通航することとした。
 01時14分S号は、潮流に抗して4.5ノットで中水道を進行中、2隻の北上船を視認し、まもなく先頭の北上船と左舷を対して航過し、引き続き同じ針路で続航中、ムクリと称する馬島北東岸の浅瀬に乗り揚げた。
 
海難原因
 夜間、強潮流に抗して来島海峡を東行中、西水道に向け右転する際、船長が操舵手に対して、とるべき舵角を十分に指示しなかったため、転針時機を失して中水道の馬島寄りに進行したことによって発生したものである。
 
影響した要因 (SHELによる分析)
  

 

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