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[漁船U丸機関損傷事件(平成13年9月8日発生)から] | ||||||||||||||
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機関損傷の概要 | ||||||||||||||
本船は、主機過給機軸受室の潤滑油量と油漏れの有無との点検が不十分で、パッキンの硬化によって隙間が生じたタービン側軸受室の油面計から潤滑油が漏洩するまま運転が続けられたため、同側軸受の潤滑が阻害されて運転不能となった。 | ||||||||||||||
海難原因 | ||||||||||||||
機関長が、主機過給機軸受室の潤滑油量と油漏れの有無の点検不十分であった。 | ||||||||||||||
機関長の運転管理状況 | ||||||||||||||
・J丸の建造時から機関長として乗り組んでいた。 ・取扱説明書に記載された排気弁の使用時間の面からの取替え基準を知らなかった。 ・毎年の定期整備の際、どのシリンダの排気弁が新替えされたのか、又は残された排気弁の使用時間等の来歴を記録していなかった。 |
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定期整備の状況 | ||||||||||||||
・U丸機関長として2年前から乗り組んでいた。 ・油面計の窓板が汚れていたため、潤滑油量が確認しづらい状況であった。 ・主機過給機の潤滑油は、2箇月毎に新替えしていた。 ・事故の1箇月前に第一種中間検査工事のために入渠したとき、過給機が開放整備されたが、過給機油面計の開放整備は指示しなかったので行われなかった。なお、その時に潤滑油は新替えされた。 ・機関長は、操業の合間や航海中に定期的に機関室の見回りを行っていたが、油面計のパッキンが劣化して潤滑油が少しずつ漏洩していることに気付かなかった。 ・事故の1週間前に潤滑油の色が少し黒くなってきたのを認め、油面計を見たが、油面計の上限線と下限線との間に付着していた汚れの線を油面と見間違え、潤滑油量の減少に気付かないまま、問題はないと判断した。 ・第一種中間検査工事で潤滑油が新替えされてから1箇月も経過していないため、潤滑油の性状や油量等については問題ないとの思い込みがあった。 |
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・油面計や水面計は油量や水量を正確に確認できるよう清掃・整備しておくべきである。 ・機関長は「潤滑油の色が黒くなってきたのを認めた」が何の処置もとらなかった。機関の異変や「予兆」を認めた際には、その原因究明と対策が必要である。 ・本船は、昭和55年3月の進水で、本件発生時の船齢は21年であった。船齢の高い船舶においては、さまざまな箇所で経年劣化が進行していることに留意すべきである。 |
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