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単独で機帆走中、キャビン内で食事の準備をしていて貨物船と衝突 | |||||||||||
(ヨットB号貨物船C丸衝突事件から) | |||||||||||
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海難の概要 | |||||||||||
ヨットB号(8.82メートル)は、シングルハンド(艇長単独)で横浜港から伊豆諸島の三宅島に向かい、メインセール(メンスル、主帆)を展帆し、機関を併用して5.0ノットの速力で、自動操舵により、洲埼沖合を南下中、B号艇長が食事の準備をするためにキャビンに入り、全く見張りが行われないまま続航して衝突した。 また、貨物船C丸(431総トン)は、スクラップを積載し、宮城県塩釜港から岡山県水島港へ向け、洲埼沖合を10.0ノットの速力で西航中、C丸船長は、右舷船首方に南下中のヨットB号を認めたが、そのうち替わるだろうと考え、B号の進路を避けないまま衝突した。 |
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海難原因 | |||||||||||
横切り船の航法 | |||||||||||
C丸:前路を左方に横切るB号の進路を避けなかった。(主因) |
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B号:見張り不十分で、有効な音響信号による警告措置をとらず、衝突を避けるための協力動作をとらなかった。(一因) | |||||||||||
影響した要因(ヨット側) | |||||||||||
・シングルハンドの航海(クルージング)であった。 ・周囲の状況を十分に確かめないで、食事の準備をするためにキャビンに入った。 ・B号艇長は、「少しの間なら大丈夫と思った。」 ・キャビンの中からは周囲を見渡すことができない状況であった。 |
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○ シングルハンドによるクルージングは、高度な帆走、航海の技術が要求されます。更に長距離(長時間)の場合は、航海の中で生活の要素(睡眠、食事、トイレ等)をいかにうまく取り入れるかが、問題となります。 ○ 所用でキャビンに入る前には、必ず周囲の安全を十分確認しましょう。 ○ キャビン内で作業等をする場合は、定期的に甲板上に出て、周囲の見張りを行いましょう。 |
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クルーザーの構造上、キャビン内からは外が見えにくい状況 クルーザーの構造上、キャビン内から前方は見えにくいのが普通です。クルーザーの艇種によってはキャビンの左右上方に窓を設け、左右両舷は見えるようにしている艇もあります。主にシングルハンドによる航海を目的とする場合には、このような艇種を選ぶことも重要です。 機帆走中の形象物 機関及び帆を同時に用いて推進しているヨットは、円すい形形象物1個(頂点を下)を前部の最も見えやすい場所に表示しましょう。 |
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