(水上オートバイM防波堤衝突事件から)
発生日時、場所 平成13年6月17日12時25分 大阪府泉南郡岬町淡輪海水浴場
気象等 晴、風ほとんどなし、海上平穏
損傷等 船首部に亀裂、3人負傷(船長、無資格者、防波堤で釣りをしていた者)
 
海難の概要
 長さ2.84メートルの2人乗り水上オートバイは、船長が後部座席に座り、無資格の女性の友人を前部座席に同乗させて、遊走のため発航した。船長は、プレジャーボートがふくそうする狭い沖防波堤内で友人に操縦を行わせていた。無資格の操縦者は、前方からのプレジャーボートを避けるため停止するつもりがとっさにスロットルレバーを強く握り締めてしまったことから急加速しながら進行し、そのまま防波堤に衝突した。

海難原因
 船長が自ら操縦しなかったことと、無資格の操縦者がスロットルレバーを誤操作したこと。

影響した要因

・無資格者の人間関係の甘えから船長に要請
・断りきれない船長の安全意識の欠如

・無資格の操縦者は、友人である船長に頼めば操縦させてくれると思った。
・船長は、友人からの要請を断りきれなかった。
・そこで船長は、スロットルレバーの握りを強めると加速し、放すとアイドリング状態に戻ることなどの操縦法を一応説明した。
・遊走当初は、後部座席の船長が操縦していたが、少しの間なら無資格の操縦者に操縦を行わせても良いと思い、自ら操縦することなく航走を始めた。
・無資格の操縦者は、操縦は何とかできたが、衝突などの危険回避措置の知識は全くないため、危険が迫ったときパニックに陥り誤操作を招いてしまった。
事故を防ぐために
 船長はいくら親しい友人から操縦したい旨の要請を受けても、しっかりと説得して断りましょう。
 ※「船舶職員及び小型船舶操縦者法」では小型船舶の船長の遵守事項として、水上オートバイを操縦するときは、免許受有者が直接操縦しなければならないことが規定されています。
飲酒運航による死傷者の内訳
(「プレジャーボート海難の分析」平成14年6月刊行より)


 
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