『 航路標識を誤認してしまった!! 』 (プレジャーボートM丸乗揚事件から)
発生日時、場所:12年7月24日07時45分 沖縄県池間島北方さんご礁
気象、潮汐   :晴、南の風、風力2、上げ潮の初期
海難の概要
 M丸は、船長ほか4人を乗せ巡航の目的で、24日07時08分沖縄県平良港から同県久米港に向かった。
発航に先だって、船長は、今回の航海に当たって航行経験がなかったため、小型船用簡易港湾案内を見たが必要なページを見ることなく、GPSプロッタに地形の概略があることや陸上の物標を見て航行すれば大丈夫と思い、十分な水路調査を行わなかった。
 船長は、発航時からフライングブリッジで操縦にあたり、20ノットのスピードで手動操舵により目的地に向かったが、07時36分右舷正横後15度ばかりのところに立標(池間島北方立標)を双眼鏡で視認したが、これを目標とする八重干瀬南立標と思い込み、その立標に向けて続航した。
 これにより、M丸は、池間島北方に拡延するさんご礁に向かって進行し、07時45分、同さんご礁に乗り揚げた。

海難原因
 本件乗揚は、航行予定海域の水路調査を十分に行わなかったため、航路標識を誤認してしまい、さんご礁に向け進行したことによって発生したものである。

再発防止に向けて
 ・船長の反省
 「八重干瀬南立標を見つけようと双眼鏡で捜していたら立標が見えた。20ノットで走りながら小型船用簡易港湾案内「南西諸島」の102、103ページを開いたが、同図には池間島北方立標の記載がなかったので、八重干瀬南立標と思った。104、105ページには詳しく記載されていたので、発航前など時間の余裕があるときに十分水路調査を行っていればよかったと思う。」と事故後、反省をしている。
 ・水路調査の重要性
 本船には、備え付けの海図があり、小型船用簡易港湾案内にも詳しく記載されていたのであるから、初めての航海海域の航海計画を立てる際、慎重な事前調査が必要であった。
 

 

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