視界制限状態となってからの船橋当直体制についてみると,155隻(錨泊中等の2隻を除く。) のうち84隻 (54%) で船長が操船を指揮していた。単独で船橋当直を行っていたものは65隻(42%)となっており,そのうち,船長の単独当直が25隻(単独当直の38%),船長以外の単独当直が40隻(同62%)であった。また,通常から複数の船橋当直体制をとっていたものと視界制限時に増員したものとを合わせると,90隻(全体の58%)が複数で船橋当直を行っており,このうち,59隻(複数当直の66%)で船長が操船を指揮していた。
 手動操舵に就いていたものは,単独当直では65隻中16隻(25%),複数当直では90隻中56隻(62%)となっている。また,船長の単独当直(25隻)では,狭水道通過時や出入港操船時であったものが含まれているため,4割強の11隻で手動操舵に就いていたが,船長以外(40隻)では,比較的広い海域で発生したものが多かったため,5隻だけが手動操舵に就いていた。