国際会議への参加

 運輸事故調査に関する国際会議は、ICAO、IMOによる会議のほか、各国事故調査機関同士が事故調査に関する共通の認識を持ち、かつ、調査機関の協力体制を一層向上させることで、事故の防止、運輸の安全を図ることを目的とした様々な国際会議が開催されています。当委員会はこれらの趣旨に賛同し、会議に参加するとともに、我が国が行った事故調査の結果等を積極的に発信しています。

国際運輸安全連合

 国際運輸安全連合(ITSA: International Transportation Safety Association)は、平成5年にオランダ、米国、カナダ及びスウェーデンの事故調査委員会により設立され、令和7年9月現在、世界の18の国・地域の運輸事故調査機関がメンバーとなっている国際組織で、規制当局から独立した事故等調査の常設機関であることなどがメンバーとなる条件とされています。ある分野の事故等調査で判明した事実が、他の分野でも学ぶべきことがあるという観点から、各メンバーの事故調査機関が行った航空、鉄道、船舶等の事故等調査経験を発表する委員長会議を毎年開催し、事故原因及び事故調査手法等を研究し、運輸全般の安全性向上を目指しています。

 我が国は、平成18年6月に航空・鉄道事故調査委員会がメンバーとして承認され、平成19年以降、当会議に参加しています。令和7年9月にはオンライン(議長国米国)で開催されました。今回の会議では、各国がテーマ毎に調査事例や取組みを紹介するパネルディスカッションを行いました。当委員会委員長からは羽田空港航空機衝突事故(令和6年1月発生)の経過報告の概要及び今後の調査方針について発表を行いました。また、当委員会委員(鉄道部会長)からは令和6年10月に日本で開催した第1回国際鉄道事故調査フォーラム(RAIIF)の結果を報告し、参加機関に対し感謝の言葉を述べました。

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国際航空事故調査員協会

 国際航空事故調査員協会(ISASI: International Society of Air Safety Investigators)は、各国の航空事故調査機関等により組織され、加盟各国の意思の疎通を図り調査機関の協力体制を一層向上させるとともに、航空事故等調査の技術面における経験・知識・情報等を交換することにより調査能力の向上に寄与するものです。

 ISASIでは、年次セミナーが毎年開かれ、我が国は、昭和49年に航空事故調査委員会が発足して以来参加しています。このセミナーでは、本会議に併せてフライトレコーダー分科会、事故調査官訓練分科会、客室安全分科会及び各国政府調査官会議等が行われますが、我が国はこれらの分科会等にも参加し、航空事故等調査技術の向上に努めています。

 令和7年9月の年次セミナーは米国のコロラド州デンバーで開催され、1件の基調講演、23件の発表及び1件のパネルディスカッションがあり、当委員会からもヘリコプター事故の解析について発表を行いました。

 また、ISASIの地域協会は、豪州(ASASI)、カナダ(CSASI)、欧州(ESASI)、フランス(ESASI French)、韓国(KSASI)、中東・北アフリカ(MENASASI)、中南米(LARSASI)、ニュージーランド(NZSASI)、パキスタン(PakistanSASI)、ロシア(RSASI)、米国(USSASI)にもそれぞれ設立されており、各地域協会でセミナーが開催されています。

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アジア航空事故調査員協会

 アジア航空事故調査員協会(AsiaSASI: Asian Society of Air Safety Investigators)は、ISASIの地域協会として、アジア地域における航空安全を促進し、地域内の航空安全調査機関等の協力を強化するため、平成21年に設立され、令和8年7月現在、11法人、22名のメンバーが所属しています。

 当委員会は設立当初から副会長を、平成29年9月からの4年間は会長を務めました。令和3年9月からは執行委員として、アジア地域における事故調査能力の向上や協力関係の強化などの議論において、主導的な役割を果たしています。

 令和6年は、ウェブ会議方式による役員会が1月16日に開催され、航空事故調査官が参加しました。

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国際鉄道事故調査フォーラム

 国際鉄道事故調査フォーラム(RAIIF: Railway Accident Investigation International Forum)は、これまで国際機関による公的枠組みがなかった鉄道事故調査分野において、当委員会がこれまで培った国際的な実績とつながりを基に、日本の提唱により立ち上げたものであり、第1回フォーラムは令和6年10月に東京で開催しました。

 本フォーラムによる世界各国・地域の関係機関の間での活発な情報交換や連携強化を通じて、世界的な鉄道の安全性向上を目指しています。

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鉄道技術国際会議

 鉄道技術国際会議(International Conference on Railway Technology: Research, Development and Maintenance)は、事故調査を含む全ての鉄道技術に関する知見の国際的共有を目的とし、平成24年の第1回会議以降、概ね2年毎に開催されています。

 令和6年9月にチェコのプラハで開催された第5回会議には、委員及び鉄道事故調査官が参加しました。

 会議では、日本国内で発生した地震動による列車脱線事故の概要、事故調査のプロセス、原因とその対策について発表し、翌日の午後のセッションで座長を務めました。

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国際船舶事故調査官会議

 国際船舶事故調査官会議(MAIIF: Marine Accident Investigators' International Forum)は、海上の安全と海洋汚染の防止に資するため、各国の船舶事故調査官相互の協力・連携を維持発展させ、船舶事故等調査における国際協力の促進・向上を目的として、カナダ運輸安全委員会の提唱により平成4年から毎年開催されている国際会議で、平成20年にはIMOにおける政府間組織(IGO: Inter Governmental Organization)としての地位が認められました。

 この会議は、各国の船舶事故調査官が率直な意見交換を行い、船舶事故等調査に関する情報を共有する場として活用されており、船舶事故等調査から得られた知見をIMOの審議に反映させるよう、議論が活発化しています。平成21年にはIMOに対し、MAIIFとして初めて各国事故調査機関の調査結果に基づく提案を行いました。当委員会も第3回会議から毎年参加しています。

 令和7年10月には第32回会議がオランダのロッテルダムで開催され、当委員会から船舶事故調査官が参加しました。

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アジア船舶事故調査官会議

 アジア船舶事故調査官会議(MAIFA: Marine Accident Investigators Forum in Asia)は、アジア地域における船舶事故等調査の相互協力体制の確立に寄与すること及び開発途上国への調査体制強化の支援を行うこと等を目的として、 日本の提唱により設立されました。平成10年から毎年会議が開催されており、平成22年には東京で第13回会議を開催するなど、主導的な役割を果たしています。当会議により確立された調査官のネットワークは、 その後の事故等調査における迅速かつ円滑な国際協力を推進する上で有効に機能しており、MAIFAの成功に倣い、平成17年には欧州においてE-MAIIFが、平成21年には北中南米においてA-MAIF が設立され、各地域の船舶事故調査官の交流や協力がこれまで以上に高まっています。

 アジア地域には、海上交通が輻輳する海峡が多数存在するほか、激しい気象・海象に見舞われることもあり、悲惨な船舶事故が発生している一方、事故等調査能力や制度が必ずしも十分とはいえない国もあることから、このような地域フォーラムでの取組が重要となっています。

 令和7年9月には第25回会議がシンガポールで開催され、当委員会から船舶事故調査官が参加しました。

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記録装置事故調査官会議

 記録装置事故調査官会議(Accident Investigator Recorder(AIR) Meeting)は、世界各国から集まった解析担当者が、飛行記録装置等の解析に係る経験・知識・情報等を交換することによるノウハウの共有、フライトレコーダーに関連する技術についての検討などを行うことにより、各国の事故調査機関における技術力の向上を図るとともに、各国の事故調査機関の協力体制を一層向上させることを目的としています。飛行記録装置(FDR)及び操縦室用音声記録装置(CVR)の解析を行う航空事故調査官が主に参加していましたが、昨今では他分野の事故調査にも技術が活用できることから参加者の幅が広がってきています。

 この会議は平成16年に設立され、その後、毎年各国の事故調査機関の主催で開催されており、当委員会は、平成18年以降ほぼ毎年、本会議に参加しています。令和7年はサウジアラビアのリヤドで開催され、当委員会から解析担当の職員が参加しました。

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