<平成16年10月20日伏木富山港にて発生>
 
 
神戸地方海難審判理事所は,平成17年3月24日神戸地方海難審判庁に対し,海王丸船長及び一等航海士を受審人に指定して,審判開始の申立を行いました。

 『事件の概要
 海王丸(2,556t)は,実習生等104人を乗せ,航海実習の目的で,北海道室蘭港から富山県伏木富山港に向かいました。同船は,台風避難のため,富山湾内の伏木富山港沖合で錨泊していたところ,台風23号の接近に伴い,強風とうねりによって走錨が始まり,浅所に乗り揚げた後,防波堤に打ち寄せられました。
 乗揚の結果,外板に多数の破口等を生じ,29人が負傷しました。

第13回IMO旗国小委員会の開催
 
 標記会議が,平成17年3月7日から5日間,英国ロンドンにおいて開催されました。当庁からは,日本代表団の一員として2人が参加し,IMO総会決議「海難及び海上インシデントの調査のためのコード(A.849(20))」の見直し及び「海難統計及び調査」の議題を担当しました。
 コードの見直しについては,各国からコードの強制化の方法について種々の意見が出されました。その結果強制化については,コードを修正した後に,再度検討することになりました。

海難分析集発刊のお知らせ

 高等海難審判庁では,昨年6月に海難分析集「内航貨物船海難の分析(衝突編)」を発刊したのに続いて,本年4月に「内航貨物船海難の分析(乗揚・機関損傷編)」を発刊することにしています。
各地方海難審判庁では,
をそれぞれ発刊しました。いずれも海難原因や事例を分かりやすく解説しています。是非ご利用下さい。

気象予報士を招いて

 昨年10個もの台風が上陸し,台風による海難が相次いで発生したことから,日本気象協会の気象予報士富沢勝氏をお招きし,「平成16年の台風について」のお話をうかがいました。青函連絡船洞爺丸の遭難をはじめ,昭和史に残る台風の爪痕を振り返りながら,「海上には遮蔽物がなく, 摩擦が少ないので,最大風速の3〜5割増しの最大瞬間風速はあたりまえ。最大風速の2〜2.5倍(ときには3倍)の風が吹くと考えておく必要がある。さらに,スピードの速い台風は,風が強いので注意を要する。現在では,『左半円は可航半円』という言い方はしていない。」など,興味深い話が次々と飛び出しました。
 
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