3月3日,神戸地方海難審判庁は,「ヨットファルコン沈没事件」(平成15年9月15日発生)の裁決言渡を行いました。

 ファルコンは,大人7人と子供5人を乗せて琵琶湖でクルージング中,北寄りの強風を受けて転覆・沈没し,乗船者全員が湖面に投げ出され,子供3人を含む7人が死亡・行方不明となりました。
 当時,ライフジャケットを着用していたのは子供2人だけでしたが,この2人は無事救助されました。
 裁決では,ファルコンがタッキング中に強風を受けた際,メインセールに受けた風圧を逃がすことができずに大傾斜して転覆を招き,艇が起きあがるときにキャビン上部に設けられた換気孔から空気が抜け,キャビン出入口から大量の水が入って浮力を失い,沈没に至ったとされ,また,多数の犠牲者が出たのは,乗船者に対する救命胴衣の着用などについての適切な指示がなされなかったこと等によるものである旨の原因を摘示しました。
 なお,ヨットクラブ等の指定海難関係人に対しては,海難の原因をなしたものとはいえない旨を言い渡しました。

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