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海難審判庁は,内航貨物船海難の特徴や問題点を抽出
するための分析を行い,その発生防止のための提言を行いました。 今回は,内航貨物船が関連した衝突海難を対象に,適用された各種航法別等に分類して分析しています。 “バリエーションツリー( VTA )による事例分析”(3 件)や“絵で見る裁決” (18件)などを取り入れて,分かり やすい内容となっており,船員に対する安全教育の場などで活用できるようにしています。 |
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第1編 内航貨物船海難の実態 | ||
平成12〜14年の3年間に発生し,各地方海難審判理事所の理事官が認知した海難は18,904件
(22,364隻)で,そのうち内航貨物船が関連したものが9,096件(9,362隻)とほぼ5割を占めています。 また,同3年間に各地方海難審判庁において裁決が行われた内航貨物船海難は638件(707隻)で,そのうち衝突事件が5割を超えています。 |
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第2編 内航貨物船の衝突海難の分析 | ||
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【適用航法別の分析】 @横切り船の航法が適用された事件(97件107隻) ![]() 衝突まで相手船に気付いていないもの及び相手船を認めたものの,その後動静監視が不十分であったものが5割強もあり,見張りの重要性を再認識する必要があります。 A視界制限状態における船舶の航法が適用された事件(61件89隻) ![]() 視程200m未満で6割,500m未満で9割が発生しており,視程と内航貨 物船の運動性能との関係から,視程が500m未満では,衝突回避が容易でないことを物語っています。 B船員の常務が適用された事件(錨泊・漂泊船との衝突)(44件50隻) ![]() 錨泊・漂泊中の小型船は,航走波がなく目標も小さいことから,見落とす可能性が高くなっています。 また,ジブクレーンなどにより,船首方向に死角が生じて,この死角に入った小型船を見落とした事例が多くなっています。 時々,操舵室内を左右に移動するなどして死角を補う見張りを十分に行うこと が大切です。 Cその他の航法 追越し船の航法が適用されたものは25件(33隻)で,以下,各種船舶間の航法28件(28隻), 狭い水道等の航法10件(15隻)などとなっていま す。 |
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【海難原因別の分析】 内航貨物船404隻中,原因ありとされた378隻に対して637原因が摘示され,内訳は,「見張り不十分」236原因,「航法不遵守」142原因,「信 号不履行」86原因,「服務に関する指揮・監督の不適切」67原因,「報告・引継の不適切」41原因などとなっています。 |
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第3編 衝突海難の再発防止に向けて | ||
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各事例ごとに,事件の概要や海難原因に加え,下記のような参考図を取り入れていま す。 | ||
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