我が国は、政府開発援助の一環として、国際協力機構(JICA)を通じて技術協力のため専門家を派遣しています。
 この度、海難審判庁に対して、国土交通省海事局を通じて国際協力機構(JICA)からフィリピン共和国における海難調査制度の構築に向けた意識の醸成を図るための専門家派遣の要請があり、本年2月に高等海難審判庁調査官伊東由人及び海難審判理事所調査課長川俣従道を短期専門家としてフィリピン共和国海事産業庁(MARINA)に派遣しました。
 フィリピン共和国は約7千の島からなる群島国家で、海運は国民生活にとって重要な生活手段となっていますが、毎年のように多数の死亡・行方不明者を伴う旅客船事故が発生しています。去る2月27日にはマニラ湾沖で死亡・行方不明者約120名という旅客船の火災事故が発生しました。フィリピン共和国にとって、海上安全の確保は極めて重要な課題といえます。
 約1ヶ月の滞在中、各地で現地関係者と打合せ、情報交換を行い、また、マニラ及びセブで開催された海上安全向上のためのセミナーにおいて、我が国の海難審判制度及びその制度が果たす行政上の役割のほか、海難調査手法、原因分析等について講演並びに意見交換を行いました。
 
セミナー開会式の模様(マニラ)
川俣調査課長(左端)、伊東調査官(左から2人目)
セミナーで講演を行う川俣調査課長
 
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