6分前
船長がレーダー(2海里レンジ)に就いて操船指揮(船長死亡のため,レーダー映像については不詳)
針路310度で上り便の基準航路より左に向け, 全速力前進10.8ノットで進行,霧中信号実施
第三宇高丸の霧中信号(長音1回)を正船首少し右舷方に聞いた。
船長は,このころ第三宇高丸のレーダー映像を探知し,三等運転士に命じて汽笛で長音1回を吹鳴させ,これに応答した。
5分前
3度左転して針路307度とする。
その後,第三宇高丸の霧中信号を2度聞き,その都度応答した。
霧中信号を聞いた次席二等運転士は,第三宇高丸が右方に替わるように感じたので,船長に「第三宇高丸は,女木島に突っかけるようですね。」と言ったところ,船長は,レーダーを見ながら「そうだ」とうなずいた。
4分前
見張りの操舵手が「女木島に並航した」と報告,間もなく霧が更に濃くなった。
3分前
機関用意を令し,10.0ノットで続航
2分前
船長は,両舷機を停止して惰力で進行
三等運転士は,船長の命により無線電話で第三宇高丸を呼び出そうとしたが,自船の霧中信号の音に妨げられて連絡できなかった。
1分前
レーダーを見ていた船長は,「左舵15度」を令した。
衝突の少し前
船長は,レーダーを見ながら「あらら おかしい」とつぶやいた。
直後に右舷船首50度100mに第三宇高丸を視認して右舵一杯をとった。