報告書番号 | RI2023-1-1 |
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発生年月日 | 2022年07月24日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 江ノ島電鉄線 湘南海岸公園駅構内[神奈川県藤沢市] |
事業者区分 | 中小民鉄 |
事業者名 | 江ノ島電鉄株式会社 (法人番号 7021001000294) |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 神奈川県 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2023年12月21日 |
概要 | 江ノ島電鉄株式会社江ノ島電鉄線の鎌倉駅発藤沢駅行き4両編成、第260列車の車掌は、令和4年7月24日(日)、鵠沼駅ホームへ到着する手前において、乗客から扉が開いているとの申告を受け、車内から確認したところ、最後部車両の進行方向右側前寄りの旅客用乗降口の両引戸の扉(左右それぞれの方向に動く戸が1枚ずつ。計2枚)のうち、前側(藤沢駅方)の戸1枚が開いているのを確認し、停車後に当該列車の運転士に報告した。 当該列車の運転士はその状況を運転司令に連絡し、当該車両への乗客の立入りを制限する等の対応を行い、藤沢駅、鎌倉駅の順に折り返して当該列車を極楽寺駅まで営業運転し、その後車両基地に収容した。 列車には乗客約50名と乗務員2名(運転士1名、車掌1名)が乗車していたが、転落等による負傷者はいなかった。 なお、その後の調査において、当該事象が発見された手前の湘南海岸公園駅でも、当該扉が開いていたが、扉の開閉状態を示す車側灯は消灯しており、開扉状態のまま発車していたことが判明した。 |
原因 | 本重大インシデントは、旅客用乗降口の扉(両引戸)のうち片側の戸にある扉連結板が破断したため、片側の戸が開扉した状態で列車が走行したことにより発生したものと認められる。 片側の戸が開扉した状態で列車が走行したことについては、もう一つの片側の戸が正常に動作していたため、その戸の扉連結板が戸閉スイッチを押すことで扉の閉状態を検知したことによると認められる。 扉連結板が破断したことについては、両引戸の開閉で扉連結板の応力集中の影響がある溶接部付近が繰り返し応力を受け、疲労破壊が発生したことによるものと考えられる。 また、扉連結板が破断するまで損傷等が発見されなかったことについては、定期検査において旅客用乗降口の上部にある点検蓋を開けて検査をする等の扉連結板の検査が確実に行われていなかったことが関与しているものと考えられる。 さらに、走行中に開扉している状態であったことに乗客から申告されるまで気付くことができなかったことについては、本重大インシデントの発生前に扉動作の原因不明の異常が複数の駅において確認されていたにもかかわらず、適切な措置が講じられずにそのまま運転を継続したことが関与しているものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |