報告書番号 | RA2015-9-2 |
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発生年月日 | 2012年09月11日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 江差線 釜谷駅~泉沢駅間(単線)[北海道上磯郡木古内町] |
事業者区分 | 貨物鉄道 |
事業者名 | 日本貨物鉄道株式会社 |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 北海道 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2015年12月17日 |
概要 | 日本貨物鉄道株式会社の五稜郭駅発宮城野駅行き21両編成の上り高速貨第2050列車は、平成24年9月11日(火)、五稜郭駅を定刻(17時56分)より1時間2分遅れて(18時58分)出発した。泉沢駅の上り出発信号機付近で非常ブレーキが掛かり停止したため、輸送指令の指示により運転士が降車して列車を点検したところ、9両目貨車(車両は機関車を含めて前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)と10両目貨車の間にあるブレーキ管ホースの連結器が外れており、9両目貨車の後台車全2軸が左側に脱線しているのを発見した。 列車には、運転士1名と青森信号場から五稜郭駅まで運転する予定の運転士1名の2名が乗車していたが、負傷はなかった。 |
原因 | 本事故は、列車が半径300mの右曲線を通過した際に、事故現場付近においてコキ106形式の貨車後台車第1軸の外軌側の輪重が減少し、外軌に乗り上がったことにより脱線したものと考えられる。 外軌側の輪重が減少したことについては、事故現場付近において貨車に発生したと考えられる大きなロール振動によるものと考えられる。 貨車に大きなロール振動が発生したことについては、運転状況、車両及び軌道の状況は、省令に基づいて定められたJR貨物及びJR北海道の基準等に則った状態であったが、 (1) コキ106形式の懸架装置の仕様は、積荷が比較的軽量であった場合、コキ104形式と比較して減衰が小さくなり、車体のロール振動が収束しにくいものであったこと、 (2) 積荷が比較的軽量であり、重心が高い状態であったこと、 (3) 事故現場付近における複合変位は、整備対象に近い比較的大きな変位量であったこと、走行速度に対して車体のロール振動の共振が生じやすい波長成分を含んでいたことが、車体のロール振動の発生を助長させた可能性があることから、これらの要因が重畳したことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | 本事故に関連して国土交通大臣に提出した意見(貨物列車走行の安全性向上に関する意見について) |
情報提供 | |
動画(MP4) | 数値シミュレーションによる車両と車輪の挙動(45秒) 数値シミュレーションによる車両と車輪の挙動(スロー)(21秒) |
備考 |