報告書番号 | AI2014-4-3 |
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発生年月日 | 2013年01月16日 |
発生場所 | 高松空港 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
EVACUATION SYSTEM/COMPONENT FAILURE OR MALFUNCTION (NON-POWERPLANT) |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
TAXI |
人の死傷 | |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | ボーイング式787-8型 |
登録記号 | JA804A |
運航者 | 全日本空輸株式会社 |
事故等種類 | 非常脱出スライド使用による非常脱出 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2014年09月25日 |
概要 | 全日本空輸株式会社所属ボーイング式787-8型JA804Aは、平成25年1月16日(水)、同社の定期692便として、東京国際空港に向けて山口宇部空港を08時11分に離陸した。08時27分ごろ、四国上空高度約32,000ftを上昇中、メインバッテリーの不具合を示す計器表示とともに、操縦室内で異臭が発生したため、目的地を高松空港に変更し、08時47分、高松空港に着陸した。 08時49分、同機は高松空港のT4誘導路上で非常脱出を開始した。 同機には、機長ほか乗務員7名、乗客129名の計137名が搭乗しており、そのうち乗客4名が脱出中に軽傷を負った。 同機のメインバッテリーが損傷したが、火災は発生しなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、同機が離陸上昇中メインバッテリーが熱暴走を起こしたため、高松空港に緊急着陸して誘導路上で非常脱出を行ったものである。 メインバッテリーの熱暴走は、6番セルがセル内部の発熱現象でベントしたことにより熱伝播の起点となって発生したものと推定される。発熱により膨張したセルケースとブレースバーが接触してアース線を介して接地短絡したことによりバッテリーボックス内に大電流が流れてアーク放電が発生したことが熱伝播を助長して熱暴走に至り、バッテリーの損傷を拡大させたものと推定される。 6番セル内部の発熱現象は、内部短絡によるものと考えられるが、その発生機序を最終的に特定することはできなかった。 本重大インシデントにおいては、1つのセルの内部短絡による発熱現象が他のセルに伝播してバッテリーの損傷を拡大させることとなったが、熱伝播に至ったことについては、同型バッテリーの開発時の試験において航空機への装備状態が適切に模擬されず、内部短絡の影響が過小評価されたことが関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | 脱出スライドを滑り降りて着地する際、乗客4名が軽傷を負った。 |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(WMV) |