委員長記者会見要旨(令和8年5月26日)
令和8年5月26日(火)14:00~14:12
国土交通省会見室
李家委員長
発言要旨
運輸安全委員会委員長の李家でございます。
ただいまより、5月の月例記者会見を始めさせていただきます。
1.事故等調査の進捗状況
はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故又は重大インシデントは、航空モードの1件で、5月10日に個人所属の動力滑空機が岡山県の岡南飛行場に着陸する際、プロペラが滑走路に接触した重大インシデントです。
運輸安全委員会は、本事案について事故調査官を派遣し、調査を開始しています。今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。
なお、4月23日にJR九州の日南線の第4種踏切道で列車と衝突した歩行者が亡くなられた事故について、調査を進めてきましたけれども、その後、警察により自殺と判断されたことから、当委員会の調査の対象ではなくなりました。
事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。
2.安全啓発資料の公表
次に、仙台事務所における安全啓発資料の公表についてご報告いたします。お手元の資料2をご覧ください。
このディスプレイにも出ておりますけれども、仙台事務所が管轄する東北6県及び新潟県は、三陸沖をはじめとする国内有数の漁場を有し、水産資源が豊富であることから、遊漁船による釣りが盛んに行われています。
一方で、遊漁船の稼働率が高まる春や秋には、事故等も多く発生しています。
仙台事務所がこれまでの約17年間に調査を行った遊漁船が関連する事故等を見ると、「他の船との衝突事故」及び「防波堤などへの単独衝突事故」が多く発生しています。このような発生傾向や特徴を取りまとめ、具体的な事故事例や再発防止策を分かりやすく紹介する資料を作成し、本日公表いたしました。
遊漁船の運航に携わる皆様におかれましては、本資料をご覧いただき、航行中はもちろんのこと、漂泊中や錨泊中においても、常に周囲の見張りを厳重に行うなど、事故の防止に努めていただきたいと思います。
本日私からは以上です。何かご質問があれば、お受けします。
3.質疑応答
(仙台事務所 安全啓発資料の公表関連)
問: 遊漁船が関連する事故の傾向と再発防止の資料ですけれども、今後どういった形で広報して、どういった形で活用されていくのでしょうか。また、今回は仙台事務所のものでしたけれども、他事務所とのこういった事例と連携されたりとか、そういったことも行ったりするのでしょうか。
答: この資料は関係団体、行政機関等に配布するとともに、運輸安全委員会が行う出前講座等にも活用して周知してまいります。
また当委員会のホームページに掲載するとともに、公式Xでも紹介する予定です。そして、こういった啓発資料ですけれども、通常、各地方事務所でいろいろな案件を調べて関連するものがあったら、今回のようにまとめて報告するという形が多いと思います。ですから過去の例でも事務所ごとに出しているものが多かったと思います。
地方事務所の分析集については、各地方事務所の事故等の発生状況であったり、管轄する海域の特徴を捉えて、地方事務所ごとに再発防止に役立つ内容を取りまとめて公表しております。地方事務所の管轄を跨いで関連する事例については、東京事務局の方で運輸安全委員会ダイジェストという形で公表することとしております。
問: もう1点別件ですが、今月アメリカのNTSBがコックピットボイスレコーダーの記録について、去年のUPS機の墜落事故で記録から音声が再現される事例などもあったことから、記録の公開を取り止めているということが起きていますけれども、日本の運輸安全委員会でもそうした状況を踏まえて検討されていることがあったりするのかどうかお伺いします。
答: 今ご紹介いただいたことは報道で見させていただきました。最近のAIの発達でNTSBが公表したデータを元に、どなたかがデータを再現したというものだったと思いますが、当委員会といたしましては、事故調査に必要なデータは、事故調査で活用し公表できるものは事故調査報告書に載せるということでありまして、今のところはこれまで通り実施していくという予定で、それ以上の議論はされていないと思います。
(辺野古沖小型船転覆事故関連)
問: 改めて、沖縄県辺野古埼の2隻の転覆事故について、その調査の進行状況とか、いつ頃報告書が出るとか、そういう目処がついていましたら教えていただきたいということが1点と、先日亡くなった船長に対して国交省が海上運送法違反、未登録ということで告発しましたけれども、こういう未登録であったことの影響なども、運安委の調査には関係してくるのでしょうか。
答: 改めまして、3月16日に沖縄県名護市辺野古沖で発生した小型船舶2隻の転覆事故でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、事故に遭遇された方々にお見舞い申し上げます。
本事故につきましては、これまでにご報告していたかもしれませんが、転覆した2隻の船体確認を行い、それから関係者への口述聴取を行っておりまして、現在も引き続き情報収集とその整理・分析を進めております。引き続き、しっかり調査・分析を進めて、原因究明と同種事故の再発防止に向けてできるだけ早い時期に調査報告書を公表できるように努めていく所存です。
それから2点目に関してですが、我々といたしましては船舶の安全運航の観点から、科学的かつ客観的な調査を行っていくという従来からの方針通りに本件に関しても行っていきます。
問: 関係はあまりないということでしょうか。
答: 先ほどおっしゃられたような点は、調査の内容に関する事項ですので、お答えは差し控えたいと思います。我々としては、調査を実施していきます。
資料