委員長記者会見要旨(令和8年3月24日)
令和8年3月24日(火)14:00~14:13
国土交通省会見室
李家委員長
発言要旨
運輸安全委員会委員長の李家でございます。
ただいまより、3月の月例記者会見を始めさせていただきます。
1.事故等調査の進捗状況
はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故又は重大インシデントは、航空、鉄道及び船舶モード合わせて6件です。
航空モードは、3月13日に日本航空機が、青森県の三沢飛行場を離陸した後、鳥と衝突し、機体を損傷した事故の1件です。本事案は、3月22日に機体の損傷の程度が大修理相当と確認されたものです。
鉄道モードは、3月3日にJR四国の予讃線、讃岐府中(さぬきふちゅう)駅構内において、走行中の列車と作業員が接触し、作業員が亡くなられた事故、3月5日に富士山麓電気鉄道の大月(おおつき)線、田野倉(たのくら)駅構内において、走行中の列車が脱線した事故の2件です。
船舶モードは、2月20日に三重県鳥羽市沖において、貨物船新生丸(しんせいまる)と遊漁船功成丸(こうせいまる)が衝突し、遊漁船の釣り客2名が亡くなられ、10名が負傷された事故、
3月16日に沖縄県名護市辺野古(へのこ)沖において、2隻の小型船舶が転覆し、乗船していた高校生を含む2名が亡くなられた事故、3月17日に青森県三沢漁港沖において、貨物船末広丸(すえひろまる)と漁船第六十五興富丸(こうふくまる)が衝突し、漁船の乗組員4名が亡くなられた事故の3件です。
事故でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、事故に遭遇された方々にお見舞いを申し上げます。
運輸安全委員会は、いずれの事案についても事故調査官を派遣し、調査を開始しています。今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。
事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。
2.運輸安全委員会年報2026の発行
次に、本日、お手元に配布しております「運輸安全委員会年報2026」を発行しましたので、概要をご報告いたします。
今回の年報では、冒頭の「この一年の主な活動」で、令和7年に公表した、東京国際空港滑走路上における航空機同士の衝突事故調査に係る2回目の経過報告や、車軸の折損を生じた山陽線での貨物列車の脱線事故調査に係る経過報告などについて紹介しています。
また、当委員会は、平素より職員を講師として派遣する「出前講座」を行っており、令和7年も事業者や関係団体、大学などへ講師を派遣しました。110ページからの第6章「事故等防止に向けた情報発信」では、このような情報発信の取組について紹介しています。
さらに、132ページからの「安全への架け橋」では、国際協力として行った、ベトナム鉄道学校の指導員等に対する安全セミナーなどの運輸の安全性向上に向けた国内外の活動について紹介しています。
本年報は、当委員会のホームページにも掲載しておりますので、是非ご活用いただきたいと思います。
本日私からは以上です。何かご質問があればお受けします。
3.質疑応答
(辺野古沖転覆事故関連)
問: 先程ありました辺野古沖で2隻の船が転覆して2人が亡くなった事故の調査の進捗状況について、現時点でお話しできることがあればお願いいたします。
答: 3月16日に沖縄県名護市辺野古沖で発生した小型船舶2隻の転覆事故では、先程申し上げましたように、高校生を含む2名が亡くなられ、14名が負傷されました。
本事故につきましては、3月16日に那覇事務所の地方事故調査官2名を指名して調査を開始し、翌17日に東京から船舶事故調査官2名を派遣し、船体の確認、関係者の口述聴取等の情報収集を進めております。
引き続き、しっかりと調査・分析を進め、原因究明と同種事故の再発防止に向け、できるだけ早期に調査報告書を公表できるよう努めてまいります。
問: 今の辺野古の事故の関連ですが、今委員長がおっしゃられたように、事故当日16日には地方事故調査官を派遣され、翌日17日に船舶事故調査官を派遣となっています。当日から大きな事故として注目を集めていたと思うのですが、初日に船舶事故調査官を派遣されなかったのはなぜなのか、経緯を教えてください。
答: 事故発生直後の情報を基に、速やかに調査を進めるため、事故当日の3月16日に沖縄県を管轄する運輸安全委員会の那覇事務所の地方事故調査官が調査に着手いたしました。
情報収集を進めていましたが、事故船舶の運航の状況や、教員の引率なく多数の高校生が乗船していた状況などを踏まえ、多角的な検討を要すると考えられたため、事故発生翌日の3月17日に東京から船舶事故調査官2名を新たに追加で派遣することとしたものです。
問: 事故の調査は迅速性が大事だと承知していますが、当日に専門の船舶事故調査官を派遣されなかったことが、その後の事故調査へ影響等を及ぼさないでしょうか。
答: 当日及び翌日以降の事故調査に関しては、進めるべきことを行っておりますので、今おっしゃられたようなことは起こらないと思います。
問: 事故の翌日に事故調査官を派遣したというところで、おそらく、運輸安全委員会設置法等の省令の中で、重要な教訓が得られるものに該当するということで調査官を派遣されているかなと思うのですが、先程委員長がおっしゃっていた、引率の教員が乗っていなかった点や、多角的にという話もありましたが、そういった点などが重要な教訓に当たる可能性があるということで、東京の調査官を派遣したという理解でよいのか、その辺の整理を教えてください。
答: 先程の多角的という点については、東京の調査官であれば、例えば機関、航海など様々な専門性を有している調査官がおりますので、総合的に調査の結果を経て分析するに当たって、以後のことも考慮すればその方が望ましいとの判断です。
問: 今回事故を起こした船舶が登録事業者ではなかったということが国土交通大臣からも明らかにされていますが、知床事故でかなり規制が強化されてきた中で、またこのような登録事業者ではない船舶が事故を起こしたこと、これに対するお考え、受け止めを伺えますでしょうか。
答: お尋ねになられた知床の事故につきまして、改めて、旅客船KAZUⅠの事故でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族の皆様へお悔やみ申し上げます。
この旅客船KAZUⅠの事故を受けて、海上運送法の改正等により旅客船の安全管理体制が強化されたと承知しております。このうち、令和6年4月から、事業の届出制度が登録制度に改められる等がなされたと承知しております。
今般の辺野古の事故につきましては、現在、調査を進めている段階ですので、旅客船KAZUⅠの事故との共通点のようなことについては、この場でお答えすることは差し控えますが、今後とも調査・分析を進め、できるだけ早期に調査報告書を公表できるよう努めてまいりたいと考えております。
資料