令和6年8月27日(火)14:00~14:07
国土交通省会見室
武田委員長
運輸安全委員会委員長の武田でございます。
ただいまより、8月の月例記者会見を始めさせていただきます。
はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故及び重大インシデントは、航空・鉄道・船舶モード合わせて7件ございます。
航空モードは、7月28日にエス・ジー・シー佐賀航空が運航するヘリコプターが、福岡県柳川市内の田畑に墜落し、搭乗者2名が亡くなられた事故、7月28日に個人運航のヘリコプターが、飛行中、操縦系統の不具合によって操縦に障害が発生し、茨城県結城郡八千代町内の公園に着陸した重大インシデント、8月5日に茨城県の龍ケ崎飛行場において、スカイネットアカデミーという会社が運航する小型飛行機が着陸した際、滑走路から逸脱した重大インシデント、8月8日に学校法人ヒラタ学園が運航するヘリコプターが、神戸空港に着陸する際、管制官からヘリパッドへの着陸を指示されたものの、滑走路に着陸した重大インシデント、アトラスエアが運航する貨物便が、8月12日に成田空港を離陸した直後に油圧系統に不具合が発生したため引き返し、着陸後の確認で、機体の損傷の度合いが大修理を要するものであると認められた事故の5件です。
鉄道モードは、7月24日にJR山陽線の新山口駅構内において、JR貨物の列車が脱線した事故の1件です。
船舶モードは、7月28日に、鳥取県の境港に向けて帰航中の遊漁船第二愛丸が、同港の消波ブロックに衝突し、釣り客2人が重傷を負った事故の1件です。
運輸安全委員会は、いずれの事案についても事故調査官を派遣し、調査を開始しています。今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。
事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧いただければと思います。
次に、広島事務所における安全啓発資料の公表についてご報告します。お手元の資料2をご覧ください。
広島事務所の管轄区域である大畠瀬戸は、周防灘と広島湾を最短距離で結ぶ水道ですが、最も狭いところでは幅が約750mとなり、その西側には戒善寺礁という岩場が点在する浅瀬があります。そのため、海上交通安全法に基づき経路が指定されておりますが、北側が航行可能水域であることを示す戒善寺礁灯浮標の南側を航行して乗り揚げる事故が多く発生しています。
広島事務所では、このような状況を踏まえ、戒善寺礁で発生した乗揚事故の発生に至る要因や事故事例を紹介する安全啓発資料をまとめ、8月29日に公表いたします。本日は、資料として概要版を配布していますが、詳しくは8月29日にホームページに掲載する資料をご覧いただければと思います。
大畠瀬戸を通航される方々におかれましては、是非当資料をご覧いただき、また、事前に水路調査を行って大畠瀬戸の指定経路や各標識の意味を把握していただき、特に、戒善寺礁灯浮標の北側を航行するようにして事故の未然防止に役立てていただきたいと思っております。
本日、私からは以上でございます。なし