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委員長記者会見要旨(令和6年2月27日

令和6年2月27日(火)14:00~14:09
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、2月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故等調査の進捗状況 

 はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故及び重大インシデントは、航空、鉄道モード合わせて4件です。

 航空モードは、1月28日に、本田航空の運航する小型飛行機が、大分空港に着陸した際、滑走路を逸脱し草地で停止した重大インシデント、2月1日に全日本空輸の羽田-バンコク便で発生した、飛行中の機体動揺により客室乗務員が負傷した事故、及び2月17日に埼玉県のホンダエアポートにおいて、本田航空が運航するヘリコプターの機外につり下げた物件が飛行中に落下した重大インシデントの3件です。

 鉄道モードは、2月13日に愛知県豊川市内のJR東海 飯田線の第1種踏切道において、当該踏切道に停滞していた自動車と列車が衝突し、脱線した列車脱線事故の1件です。

 運輸安全委員会は、いずれの事案についても事故調査官を派遣し、調査を開始しています。今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。

 事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。

2.安全啓発資料の公表 

 次に、函館事務所における安全啓発資料の公表についてご報告します。お手元の資料2をご覧ください。

 函館事務所の管轄区域である北海道周辺海域は、豊富な水産資源に恵まれていることを背景に、漁業が盛んに行われておりますが、2013年から2022年までの10年間に函館事務所が事故調査報告書を公表した627件の船舶事故及びインシデントのうち、「甲板上での漁労作業中に発生した死傷等事故」が64件発生しております。

 函館事務所ではこの現状を踏まえて、漁船特有の労働災害ともいえる「漁労作業中の事故」の再発防止に向けて、その発生状況と教訓となる事例を分析し、その結果をまとめた安全啓発資料を本日公表しました。

 分析の結果、発生した「漁労作業中の事故」は、「落水」が最も多く、次いで、漁労機器を使用中に身体が巻き込まれたなどの「巻き込まれ」、漁具などが身体に接触したなどの「接触」、ロープと船体の間に身体を挟まれたなどの「挟まれ」の順となっております。

 「漁労作業中の事故」は、ほんの少しの気の緩みや油断から発生することがあります。漁船乗組員の方々においては、是非当資料をご覧いただき、慣れた作業であっても、作業手順の遵守を徹底し、安全操業に努めて事故の防止に役立てていただきたいと考えております。

 本日、私からは以上です。
 何か質問があればお受けします。

4.質疑応答

(安全啓発資料関係)

問: 函館事務所とりまとめの漁労作業中の事故ですが、現場は北海道周辺の海ということでしょうか。
答: そのとおりです。
問: 函館事務所の管轄内ということでしょうか。
答: 管轄内の北海道全域ということになります。
問: このタイミングで公表したということは、きっかけというか、どのような意識があるのでしょうか。
答: 北海道地方においては、3月からほたて養殖漁の収穫最盛期が始まることもあり、本資料を当月発行することで、漁労中事故の未然防止に期待できるものと考えております。
   また、北海道内の漁協や漁連、函館事務所管轄区域内の海上保安部及び北海道運輸局・北海道開発局などへの配布、また、出前講座等での資料としての配布などを通して周知を図ることとしております。
   このような地道な努力が重要だと考えております。

(JAL機/海保機衝突事故関係)

問: 1月の羽田の事故に関してですが、先月の会見で、各国と連携して調査を行うということでしたが、進捗状況などありましたらお願いします。
答: 本事故は、滑走路に入り込んで衝突し、火災が発生し、JAL機の乗客は脱出されましたが、その全体像を把握する必要があり、事実情報はわかってきましたが、分析はまだできておりません。
   また、分析をしているときに事実情報の足りない部分もでてきますので、全体像の把握が必要であると認識しております。
問: 海保の機長含め、関係者からの聴取は進んでいるのでしょうか。
答: 海保機長からの聴き取りについては、機長の体調も考慮して、聴き取りが長時間にならないよう、何回かに分けて、実施しています。
   口述内容やそのタイミングにつきましては、調査の内容に関わる話になりますので、お答えできません。

資料

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