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委員長記者会見要旨(令和5年2月14日

令和5年2月14日(火)14:00~14:09
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、2月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故等調査の進捗状況  

 はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故は、航空、船舶モード合わせて4件です。

 航空モードは、1月7日(通報は2月10日)にジェットスター・ジャパンの成田―福岡便が爆破予告を受け中部国際空港に緊急着陸し、脱出用スライドで降機した際に乗客が負傷した航空事故、1月7日(通報は1月23日)に日本航空の羽田―宮崎便で発生した、飛行中の機体動揺により乗客が負傷した航空事故、1月25日に成田空港で全日本空輸の貨物機がスポットに到着した際にスリップし、停車していた車両と接触した航空事故の3件です。

 船舶モードは、1月24日に沖縄県竹富町浜島沖で発生したパナマ船籍の貨物船XIN HAI ZHOU 2の乗揚事故の1件です。

 運輸安全委員会では、いずれの事案についても事故調査官を派遣し、調査を開始しています。
 また、このうち貨物船XIN HAI ZHOU 2の乗揚事故については、1月26日に船舶事故調査官3名を現地に派遣し、これまでに関係者からの聴き取り、AIS(船舶自動識別装置)情報や関連資料の入手などの調査を実施しております。

 今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。

 事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。

2.安全啓発資料の公表 

 次に、運輸安全委員会ダイジェスト第40号として、貨物船・タンカーの居眠りによる船舶事故に関する分析を本日公表しましたのでご報告します。お手元の資料2をご覧願います。

 平成30年から令和4年までに事故調査報告書を公表した、居眠りを要因とする貨物船とタンカーの事故45件のうち、約4割にあたる17件が3月と4月に発生しています。
 そこで今回は、眠気を催しやすいと言われる春を前に、居眠りが要因の貨物船・タンカーの事故調査結果について分析を行い、船橋航海当直警報装置、いわゆる居眠り防止装置の適切な使用に関することなど、事故防止に向けたポイントをわかりやすくとりまとめました。
 居眠りによる事故が多くなる季節を迎え、貨物船・タンカーの運航に携わる皆様をはじめ、船舶の運航に関わる多くの皆様にこの資料をご活用いただき、今後の事故防止に役立てていただきたいと考えています。

 次に、地方事務所における安全啓発資料の公表についてご報告します。お手元の資料3をご覧願います。
 当委員会の長崎事務所は、漁船の関連する事故が比較的多い海域を担当しています。
 中でも、漁網や錨索(びょうさく)を巻き取る際などに使用するローラに、乗組員が巻き込まれて死傷する事故が度々発生していることから、これらの事故について調査結果を精査・分析し、事故防止のポイント等をとりまとめ、本日公表しました。
 今回特に、ローラの種類ごとの状況を分析したところ、例えば、ゴム製ローラの事故の場合、被害に遭われた方が、漁網がローラに進入する側、引き込まれる側で作業を行っていたことが事故発生の要因となったことや、ゴム製ローラ事故では死亡に至る割合が高いことなどが分かりました。
 漁網や錨索の巻き取り作業用のローラは全国で使用されており、同種の事故は各地で発生しています。全国の漁業従事者の皆様にこの資料をご覧いただき、事故防止に役立てていただきたいと思っています。

 本日、私からは以上です。
 何か質問があればお受けします。

3.質疑応答

(安全啓発資料関係)

問: ローラ巻き込まれ事故防止資料3については長崎事務所が出されたということですが、各地でも起きているということですが、長崎が突出して多いということになるのでしようか。
答: 長崎の管轄海域は特にこのような漁業がさかんに行われているということになります。
問: それに関連してなんですが、他の地域での事故件数みたいなものは把握されているのでしょうか。
答: 事故件数は把握していますので、後ほど、広報の方にお尋ね下さい。

資料

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