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委員長記者会見要旨(令和元年10月29日

令和元年10月29日(火)11:30~11:38
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、10月の月例記者会見を始めさせていただきます。

 はじめに、今月は、台風19号及び21号が大きな被害を及ぼしました。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 台風19号により、10月12日、川崎市の東扇島付近において貨物船が沈没する船舶事故が発生し、7名もの方が亡くなられ、まだ1名の方が行方不明の状況です。
 このように、これまで経験したことのない大雨や台風は、安全な輸送を脅かすのみならず、大事故を発生させるリスクを高めています。この事故以外にも船舶事故が発生しておりますので、調査を進めて参ります。
 運輸安全委員会としましては、このような変化も念頭において、原因及び再発防止策をより深く分析するよう努めて参る所存です。

1.事故等調査の進捗状況  

 次に、事故等調査の進捗状況について、前月の定例会見から新たに発生した事故及び重大インシデントは、航空・船舶モード合わせて5件ありました。

 航空モードは、10月3日、青森県三沢飛行場でジェイエア機が着陸しようとしていた滑走路に航空自衛隊機が進入し、ジェイエア機が着陸をやり直した重大インシデント、10月12日、鹿児島発種子島行きの日本エアコミューター機が降下中に種子島沖で機体が動揺し、客室乗務員1人が負傷した事故、それから、10月20日、茨城県かすみがうら市で自作航空機が墜落し、搭乗者2名のうち1名が亡くなられ、1名が負傷した事故の3件です。
 船舶モードでは、先ほど申し上げました貨物船の沈没事故と、10月24日に静岡県清水港で外国船籍のコンテナ船同士が衝突した事故の2件です。

 事故等調査の進捗状況については、資料をご覧下さい。

 さて、今日の記者会見は、運輸安全委員会が委員長記者会見を始めてから、ちょうど100回目の記者会見になります。
 偶然のタイミングではありますが、今月から、事故等調査報告書の公表日に、公表報告書の概要を国土交通省ツイッターでも発信することになっています。
 記者会見も含め、引き続き情報発信に努めて参りますので、ご意見やご要望などがありましたら広報室の方にお知らせいただければと思います。

 先日、スペースジェットの安全性認証を担当する航空機技術審査センターに伺う機会がありました。国産航空機の就航にあたっては、どうやって安全を確保していくかが非常に重要で、関係機関がそれぞれの立場で努力し、連携しながら進めていくことが必要と思っています。また、鉄道及び船舶では、昨今の気候変動の影響と思われる事故等が起きていますので、的確に事実を認識し、原因究明と再発防止を進めていくことが必要と思っています。
 いずれにしましても、このような記者会見の場を通じ、皆様からご意見もいただきながら、進めて参りたいと考えております。

 本日、私からは、以上でございます。
 何かご質問があればお受けします。

2.質疑応答

(京浜急行電鉄列車脱線事故関係)

問: 京急電鉄の事故について、先日、「運転士は通常ブレーキをかけた後、非常ブレーキをかけた」との報道がありました。運輸安全委員会の調査で、ブレーキをかけた地点など客観的なデータで分かっていることがあれば教えて下さい。
答: 運転士が、踏切の手前側に設置されている発光信号機をどのように視認してブレーキ操作を行ったかについては、現在、調査・分析を進めているところであり、速やかに調査結果を明らかにできるよう努めて参ります。

資料