運輸安全委員会トップページ > 報道・会見 > 委員長記者会見 > 委員長記者会見要旨(平成29年10月24日)

委員長記者会見要旨(平成29年10月24日)

平成29年10月24日(火)14:00~14:08
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、10月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、委員の交替、事故調査の進捗状況、勧告に基づき講ずべき措置、インド鉄道の安全に関する国際協力についてご報告いたします。

 はじめに、海事部会所属委員の交替がありましたので、ご報告いたします。
 9月30日付けで庄司邦昭委員、小須田敏委員、根本美奈委員の3名が退任され、10月1日付けで佐藤雄二委員、田村兼吉委員、岡本満喜子委員の3名が任命されております。

 どうぞ、よろしくお願いします。

1.事故調査の進捗状況報告

 続きまして、事故調査の進捗状況について、ご報告いたします。

 9月23日、関西国際空港を離陸し大阪市上空を飛行中のアムステルダム行きKLMオランダ航空868便、ボーイング777-200型機からパネルが落下し、走行中の乗用車に衝突した航空重大インシデント事案について、その後の調査状況をご報告いたします。

 運輸安全委員会では、落下したパネルの調査に加え、KLMオランダ航空の施設に航空事故調査官1名を派遣し、機体側状況の確認、当該パネルに関連する整備状況の確認、KLMオランダ航空の関係者から聞き取り等の調査を行っております。

 引き続き、米国及びオランダの航空事故調査当局と連携して、更に詳細な調査を行うとともに、飛行記録、飛行航跡記録、気象に関する情報等のデータ収集、分析等の調査を進め、早急な原因究明に努めて参ります。

 その他の事故及び重大インシデントの調査状況については、詳細の説明は省略させていただきますので、お手元の資料1をご覧ください。

2.勧告に基づき講ずべき措置について

 続きまして、資料2をご覧ください。
 平成28年1月に長崎県対馬の北西方沖で旅客船ビートルが海洋生物と衝突し、旅客7名、乗務員2名の計9名が重軽傷を負いました事故について、今年7月に事故調査報告書の公表を行うとともに、原因関係者であるJR九州高速船株式会社に対し、再発防止と被害の拡大防止のために措置を講ずるよう勧告を行いました。

 勧告に基づき、今回、同社から提出された実施計画では、巡航速度を落とした航行、見張りの強化及びシートベルトの着用などを行う「鯨類警戒航行」の実施を安全管理規程に追加し、励行させるとともに、運航管理者がAIS(船舶自動識別装置)情報や書面により実施状況を確認するなどの管理体制を構築します。
 また、客室内の座席の肘掛け上部に緩衝材を取付けるなどの措置を行うとしております。

 これらについては、勧告の内容を反映したものとなっていると考えており、今後は、実施計画に沿って実行していただくことになりますが、これにより、安全性の一層の向上に努めていただきたいと考えております。

3.インド鉄道の安全に関する国際協力について

 最後に、インドの鉄道安全に関する協力活動についてご説明いたします。
 昨年11月に起きましたインド北部での国鉄急行列車脱線事故など、インド国内で鉄道事故が相次いだため、本年2月、国土交通省とインド鉄道省との間で鉄道安全に係る協力覚書が結ばれ、7月にはインド政府から協力要請書が提出されております。
 これらを受けまして、日本から鉄道安全専門家チームが派遣されることになりました。

 当委員会からは、10月29日から11月4日までの間、奥村鉄道部会長及び鉄道事故調査官をデリーへ派遣し、インド鉄道省や鉄道事故調査機関などを対象とする鉄道安全セミナーにおいて、日本の事故調査の現状を基に必要な体制や調査手続きなどを説明するとともに、再発防止のためには徹底した調査が必要であることを強調していきたいと考えております。

 今回の専門家チームは、当委員会の他、鉄道事業者、研究機関等で構成されており、安全マネジメントやメンテナンス技術などについてもインド側へ提供し、意見交換することとなっております。
 今回の専門家派遣により、両国の鉄道安全に関する協力がさらに密接になることを期待しております。

 本日、私からの説明は、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

4.質疑応答

(KLMオランダ航空重大インシデント関連)

問: KLMオランダ航空の調査について伺います。機体の状況を確認したとのことですが、機体のパネルが外れた部分に何か異常とか見られたのでしょうか。
答: 現在、調査中ですので詳しいことは、改めてご報告させていただきます。

問: データ収集をして分析等を進めているとのことですが、データは提出されているという理解でよろしいですか。
答: はい。必要な情報はかなり得ています。更に、米国NTSB、オランダDSBと協力して調査を進めていきたいと考えています。

資料

このページのトップへ