平成29年2月21日(火)14:00~14:07
国土交通省会見室
中橋和博委員長
運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
ただいまより、2月の月例記者会見を始めさせていただきます。
本日は、お手元の資料にありますように、3モードにおける事故調査の進捗状況一覧、それから運輸安全委員会ダイジェスト英語版の発行についてご報告いたします。
現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況についてですが、説明は省略させていただきます。詳細は資料1をご覧ください。
続きまして、本日、「運輸安全委員会ダイジェスト(英語版)航空事故分析集 個人小型機及び滑空機の事故防止に向けて」(英語名称:Digest of Aircraft Accident Analyses:For prevention of Accidents Involving Private Small Aircraft and Gliders)を発行し、当委員会の英語版ホームページで公表いたしました。このことについて、ご紹介いたします。
お手元に、ご参考までに本号の掲載ページを印刷した資料2をお配りしております。
この英語版ダイジェストは、昨年9月に発行しました運輸安全委員会ダイジェスト第22号(日本語版)をもとに英訳したものです。近年発生した個人が操縦する等の小型機及び滑空機の事故調査事例を紹介するとともに、小型機を操縦する個人が会員となっている団体へのインタビューを実施して、その活動内容を紹介したものです。
航空事故分析集の英語版ダイジェストは、これまで4回発行しておりまして、国際会議やシンポジウム等の場で紹介して、有用な資料であるとの旨の評価を得ております。今後も当委員会の活動を海外に向けて積極的に情報発信してまいる所存です。
なお、印刷物をご希望の場合にはお配りしますので、後ほど事務局にお申し出いただければと思います。
本日、私からご説明するものは、以上です。
何か質問等があればお受けいたします。
問: 委員長が就任されて、間もなく一年になるかと思いますが、改めて振り返っていただいて、印象に残る事案であるとか、今後の調査に向けての課題や抱負などがあればお聞かせください。
答: あと一週間で就任して一年が経つわけですが、幸いなことに、重大な事故はこの一年なかったということで、ほっとしているところです。一方、一歩間違えれば重大な事故になりかねないような事故、あるいは重大インシデントというものがありました。そういう意味では引き続き緊張感を持って業務に取り組んでまいりたいと思っております。
就任して最初に持った印象は、運輸安全委員会の調査官の皆さんが非常に優秀な方々で、まさしくプロフェッショナルな集団であるということです。そういう意味では、この体制を維持し、さらに調査についての技量を向上させていくことが何よりも重要であろうと思っています。
一方で、最近の事故等は色々な要因が重なって起こっているものが多く、高度な専門性も必要となっております。また、MRJは少し就航が先延ばしになっておりますが、設計・製造国としての責任を果たさなければならないということもあり、このような状況に対応していくための体制整備を進めていく必要があると思っているところです。
それから、この一年、いくつかの事故現場を視察させていただきました。昨年夏、8月12日に御巣鷹山の慰霊登山に初めて参加させていただきました。2005年に発生した福知山線の脱線事故についても、現場を見てまいりました。昨年は第4種踏切の事故も非常にたくさんありましたが、その現場も見てまいりました。このような事故現場を見ますと、運輸の安全性の向上に対して、我々運輸安全委員会が果たすべき役割は非常に重要であると改めて痛感しました。引き続き、適確な事故調査の実施、適時適切な情報発信、被害者への配慮などに全力で取り組んでまいりたいと思っているところです。