子ども霞が関見学デーで“夜のブリッジ”を体験
 文部科学省主催の「子ども霞が関見学デー」で、8月22日高等海難審判庁に30名の親子が訪れました。
今年の企画は「夜の海で船がどのように見えるのか」というもので、夜間のブリッジに似せた暗室を用
意して「暗順応」を実験したのち、実際に船舶の灯火がどのように見えるのか体験してもらいました。
 主要海難事件の審判開始の申立
 横浜地方海難審判理事所は、9月13日横浜地方海難審判庁に対し「貨物船第二広洋丸貨物船サン トラスト衝突事件」の審判開始の申立を行いました。
 なお、第二広洋丸船長が受審人に指定されました。
(事件の概要)
 第二広洋丸(462総トン)は、石こうを積載し、8月8日14時30分愛知県衣浦港を発し、千葉県木更津港に向け航行中、また、サン トラスト(2,747総トン大韓民国船籍)は鉄屑を積載し、同日17時35分静岡県田子の浦港を発し、釜山に向け航行中、21時54分御前埼沖合で衝突した。衝突の結果、第二広洋丸は船首部に破口を伴う圧壊を生じ、サン トラストは浸水して間もなく沈没し、乗組員13人のうち船長ほか5人が死亡し、2人が行方不明となった。
 主要海難事件の裁決言渡
 横浜地方海難審判庁は、9月13日「遊漁船第五庄治郎丸遊漁船第七恒丸衝突事件」の裁決を行い、「両船とも見張り不十分で、衝突を避けるための措置をとらなかった」ことを原因とし、両船長に対して業務停止1箇月をそれぞれ言い渡しました。
(事件の概要)
 第五庄治郎丸(18総トン)は、4月19日07時00分船長のほか遊漁客7人を乗せて平塚港を発し、大磯港沖合で漂泊して釣りの準備作業中、また、第七恒丸(16総トン)は、同07時30分船長ほか友人1人と遊漁客16人を乗せて大磯港を発し、同港沖合を魚群探索しながら進行中に08時10分大磯港沖合で衝突した。両船とも損傷し、両船長のほか遊漁客合わせて13人が重軽傷を負った。

編集後記
 今月号は、台風シーズンを迎え、一つの台風によって発生した海難を取り上げてみました。台風が日本のはるか南方洋上にあっても“うねり”が押し寄せます。特に小型の船舶は“うねり”によって沿岸の浅所に発生する“いそ波”に注意してください。


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