マリンフォーラム2001で基調講演
 10月29日オランダ・アムステルダムにおいて、「ヒューマンファクター(人的要因)」をテーマにマリンフォーラム2001が開催され、国土交通省の羽生国土交通審議官が出席し、基調講演のなかで、わが国における海難事故の現状と新たな取り組みとして「ヒューマンファクターを重視した海難調査・分析」について紹介しました。当庁では、原総務課長が同審議官に同行するなどの対応をしました。
 主要事件の裁決言渡
 広島地方海難審判庁では、9月26日プレジャーボートいわさき丸監視船若葉丸引船列衝突事件の裁決を行い、「いわさき丸が見張り不十分で新たな衝突のおそれのある関係を生じさせたことによって発生したが、若葉丸引船列が動静監視不十分で避航を促す信号を行わなかったことも一因をなすものである。」旨の言渡があった。
 なお、9月26日若葉丸側の補佐人から裁決を不服として第二審の請求があった。
(事件の要旨)
 平成12年11月18日17時00分広島港で、モーターボートいわさき丸と広島県立高校のヨット3艇を曳航中の若葉丸が衝突し、同校ヨット部員1人が死亡、1人が負傷した。




編集後記
 今月号は、裁決事例として海底電線、送電線の事故を取り上げてみました。これらは操船中、見張りのなかではなかなか見つけることができなかったり、見落としがちなこともあるので、事前の水路調査が重要になります。
 最近、テロ対策をはじめ、国際協調の重要性が指摘されているところですが、海難調査の世界でも促進が図られています。


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