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| 1 | モーターボートの航走中の見張り不十分による衝突事件 | |
| ・ | モーターボートの航走中における衝突の8割は「見張り不十分」によるもの。 | |
| ・ | 「見張り不十分」が原因とされた事件の死傷者は、衝突の全死傷者の7割を占める。 | |
| ・ | 「見張り不十分」の半数以上は、「見張りの態勢についてはいたが衝突直前まで相手船を認めなかったもの」による。 | |
| このような見張り行為を行っていたにもかかわらず相手船を発見できなかった事件の特徴は以下のとおり。 | ||
| ○ | 発見できなかった理由の6割は「一方向のみしか見ていなかった」ことによるもの。 | |
| ○ | 相手船は前方に存在していたケースが4分の3。 | |
| ○ | 4割は夜間に発生し、自船の針路保持等に気をとられ相手船の灯火を発見する余裕がなかったことによるもの。 |
| 航走中における見張り不十分のエラー別内訳 | 衝突時刻の昼夜別の内訳 |
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| 「全方位にわたり」、「対象物を特定せず」、「継続して繰り返し」などの見張り行為の基本を理解すること |
| − 夜間、不案内な海域、天候の悪化などの厳しい条件下において操船する時、経験不足から不安感が発生し、特定の対象物への監視行為等に長時間没頭してしまい、周囲の見張りが不完全となることが多い。− |
| 2 | 発航前の準備不足が海難発生にかかわった事件 | |
| ・ | 「水路調査」、「機関・船体点検」、「気象・海象情報収集」の3つの発航前準備の不足が海難の原因である。 |
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| ・ | 発航前の準備不足が原因となった海難は、乗揚など多岐にわたっており死傷者も多い。 |
| 海難原因・用途別の内訳 (単位:件) |
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| −水路調査不十分− ・ 「航海に必要な海図による調査を行わなかった」とされたものが圧倒的に多い。 ・ 乗り揚げた場所は、干出岩が5割強となっている。 ※ 干出岩(かんしゅつがん)とは、岩頂が低潮時に露出する岩。 ・ 水路調査不十分とされた事件の半数は、当該海域の通航経験があったもの。また、「夜間航行のための水路調査を行わなかったもの」の7割は、昼間の通航経験があった。 |
| 水路調査を行わなかった理由と当該海域の通航経験の有無 (単位:件) |
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−気象海象の情報収集不十分− |
| −機関・船体等の点検不十分− ・ 「発航前の機関・船体等点検不十分」は、直接的には運航阻害を招いたものが多く、その他、転覆、遭難、死傷に至るケースもある。 ・ 「余裕をもった十分な」燃料を搭載せずに燃料切れに陥り、航行不能となった例が多い。 |
| 発航前の準備行為の多くは、だれにでもできる基本的な確認などであり、準備不足にかかわる海難防止は、その重要性を認識させる教育・指導で可能 |
| − 発航前の準備行為は、海図等による水路調査、気象・海象情報の入手、機関(燃料、潤滑油を含む。)・船体の確認・点検があげられるが、その重要性について過小評価して準備を怠るものが多い。− |
| 3 | 飲酒が海難発生にかかわった事件 | |
| ・ | 飲酒運航による海難は、衝突ばかりでなく乗揚等多岐にわたる。 | |
| ・ | 被害の大半は同乗者や相手船であり、死傷者の発生率は飲酒なしの2.5倍にも及ぶ。 |
| 事件種類別飲酒がかかわった事件等の死傷率 |
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| 船長の自己管理に期待することはできないため、他の交通モードと同様に |
| − 海技免状更新講習等において教育が行われているにもかかわらず、飲酒運航についての危険性が理解されておらず、船長の自己管理に期待することはできない。− |
| 4 | 海技免状を受有しない者の操縦が海難発生にかかわった事件 | |
| −水上オートバイ− | ||
| ・ | 無資格者に単独で操縦させた経緯は、船長が「操縦特性に対する認識不足」に加え無資格者の要請に対して、その要請を断り切れなかった等の傾向がある。 | |
| ・ | 前部座席に無資格者を座らせて操縦を行わせ、船長が後部座席で操船指揮をとっていた場合は、船長がハンドルに触れていないという状況下で発生したものが多い。 | |
| ・ | 無資格者が前部座席で直接操縦して危険に直面した時、パニックに陥り、停止させるつもりが増速するなどの誤操作を招くなど、「適切な海難回避措置をとることは期待できない」状況にある。一方、船長が後部座席にいても海難回避操作が一瞬の判断を必要とすることから操作や指揮が間に合わない状況にある。 |
| 無資格者による水上オートバイの直接操縦は、危険性が高い |
| 5 | プレジャーボートが遊泳者等を死傷させた事件 | |
| ・ | 航走中に遊泳者等と接触して死傷させた事件は、他の船種に比べプレジャーボートによるものが圧倒的に多い。 | |
| ・ | すべての事件において船長は、遊泳者等の存在を予想し得る状況であった。 | |
| ・ | 原因は、「見張り不十分」が圧倒的に多く、航走中、他のプレジャーボートや陸岸の様子に気を奪われ、回避措置をとる余裕もなく海難に及んでいる。 | |
| ・ | 水上オートバイにとっては「低速力」であっても、一般船舶から見れば危険な「高速力」にあたる。 |
| 遊泳者がいる海域における航走が極めて危険であるとの認識が必要 |
| 6 | 海中転落を伴った海難と救命胴衣の着用について | |
| ・ | 海中転落はプレジャーボート海難で4割以上を占め、ほとんどの事件種類で発生している。 |
| 事件種類別の海中転落の状況 |
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・ 海中転落した場合の死亡率は12%で、海中転落しなかった場合の死亡率は0.8%となり、その格差は15倍にもなる。 |
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海中転落による生存・死因内訳 (救命胴衣着用の有無別) |
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・ モーターボートにおいて、船長の救命胴衣着用の有無と同乗者の着用の有無には、非常に強い相関関係がある。 |
| 救命胴衣を着用すれば海中転落しても生存できる可能性が極めて高まる 同乗者に救命胴衣を着用させることは船長の大切な責任 |