日本航空株式会社所属ボーイング式747SR−100型JA8119の航空事故に係る建議
(1987.6.19建議)
(JA8119 群馬県多野郡上野村 S60.8.12 発生事故)
  1. 緊急又は異常な事態における乗組員の対応能力を高めるための方策を検討すること。
     特殊な緊急又は異常な事態あるいは同時に複数の緊急又は異常な事態が生じる場合においては、今回のJA8119の事故におけるように、乗組員が事態の内容を十分には把握できず、また、どのように対応するかの判断を下すのが困難なことが考えられる。
     このような場合における乗組員の対応能力を高めるための方策について、検討する必要がある。

  2. 航空機の整備技術の向上に資するため、目視点検による亀裂の発見に関し検討すること。
     航空機の構造に生じた亀裂の発見は、目視点検により行われる場合が多いが、目視点検によってどの程度の亀裂を発見できるかについては、現在十分な資料がない状況である。
     我が国で運航している輸送機について、目視点検による亀裂の発見に関する資料の収集・分析を行い、航空機の整備技術の向上に資する必要がある。