JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2017-10
発生年月日 2016年09月09日
事故等種類 爆発
事故等名 油タンカー兼ケミカルタンカーEIWA MARU 3爆発
発生場所 和歌山県御坊市南方沖  紀伊日ノ御埼灯台から真方位163°9.1海里付近
管轄部署 事務局
人の死傷 死亡:負傷
船舶種類 タンカー
総トン数 500~1600t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2017年10月26日
概要  油タンカー兼ケミカルタンカーEIWA MARU 3は、船長ほか9人が乗り組み、和歌山県和歌山下津港で潤滑油等の基材となるベースオイルの揚げ荷を終えて三重県四日市市四日市港に向けて出港し、貨物タンクの洗浄作業を行いながら和歌山県御坊市南方沖を南東進中、平成28年9月9日18時40分ごろ貨物タンクで爆発が発生した。
 EIWA MARU 3は、乗組員1人が死亡し、乗組員2人が重傷等を負い、2番及び3番貨物タンクの頂部及び隔壁に曲損等を生じた。
原因  本事故は、夜間、EIWA MARU 3が、和歌山下津港で1番及び3番貨物タンクのベースオイルの揚げ荷を終えて出港し、貨物タンクの洗浄作業を行いながら御坊市南方沖を南東進中、貨物ポンプを使用してバタワース洗浄機による海水を使った貨物タンクの洗浄作業を始め、No.2貨物ポンプ、1番及び3番タンク底部並びに同タンク用荷役配管に残っていたベースオイルが3番貨物タンク内に噴射され、右舷3番貨物タンクの通気管内にまで飛散した状況下、EIWA MARU 3の機関長が右舷3番貨物タンクの通気管に管を溶接する作業を行ったため、右舷3番貨物タンクの通気管及び右舷3番貨物タンク内のベースオイルが気化及び着火して爆発が発生したものと考えられる。
 EIWA MARU 3の機関長が右舷3番貨物タンクの通気管に管を溶接する作業を行ったのは、引火点が高いベースオイルを積載したタンクの洗浄中であるが、溶接部が小さく短時間で終了するので危険はないと思ったことによる可能性があると考えられる。
ベースオイルが3番貨物タンク内に噴射され、右舷3番貨物タンクの通気管内にまで飛散した状況となったのは、貨物タンクの洗浄作業前に貨物タンク底部、貨物ポンプ及び荷役配管の内部を水で洗い流す作業を行っていなかったことが関与したものと考えられる。
死傷者数 死亡:機関長、負傷:二機士及び甲板手
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。