JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2017-2
発生年月日 2015年10月17日
事故等種類 衝突
事故等名 ケミカルタンカーSULPHUR GARLAND油タンカー第二和光丸衝突
発生場所 山口県下関市六連島東方沖(関門港関門航路内)  六連島灯台から真方位071°1,360m付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 タンカー:タンカー
総トン数 3000~5000t未満:1600~3000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2017年02月23日
概要  ケミカルタンカーSULPHUR GARLANDは、船長及び二等航海士ほか15人が乗り組み、中華人民共和国鎮江港に向けて関門港関門航路を北北東進中、油タンカー第二和光丸は、船長及び二等航海士ほか8人が乗り組み、大分県大分港に向けて同航路を南南東進中、平成27年10月17日03時26分ごろ、山口県下関市六連島東方沖の関門航路西口付近において、両船が衝突した。
 SULPHUR GARLANDは船首部の圧壊等を生じ、また、第二和光丸は右舷後部船側外板に破口を伴う凹損を生じて燃料油が流出した。
 両船共に死傷者はいなかった。
原因  本事故は、夜間、六連島東方沖において、SULPHUR GARLANDが関門航路を同航路西口に向けて北北東進中、第二和光丸が、右舷船首方を中型まき網漁船が同航している状況下、関門航路西口に向けて南南東進中、第二和光丸が、中型まき網漁船と接近し、左転して関門航路の左側に入り、また、SULPHUR GARLANDが針路及び速力を維持して航行したため、両船が衝突したものと考えられる。 
 第二和光丸が、中型まき網漁船と接近し、左転して関門航路の左側に入ったのは、第二和光丸の二等航海士が、関門航路を北進するSULPHUR GARLAND及び同航路西口に向けて南東進する中型まき網漁船を認めた後、SULPHUR GARLAND及び中型まき網漁船に対する見張りを適切に行っていなかったことから、第二和光丸が関門航路を北進するSULPHUR GARLANDの前方に向かう態勢となること、及び中型まき網漁船の左舷方を航行する態勢となることを予想できず、また、右舷前方の中型まき網漁船とほぼ同じ速力としたことから、右舵が取れない状態に陥って混乱したことによる可能性があると考えられる。
 第二和光丸の二等航海士が混乱したのは、関門航路において、船長の操船指揮下にない船橋配置を経験したことがなく、船長が昇橋していない状況下、同航海士が1人で見張り、操舵及びVHF無線電話による通信を行っていたことが関与した可能性があると考えられる。
 SULPHUR GARLANDが、針路及び速力を維持して航行したのは、SULPHUR GARLANDの二等航海士が、関門海峡海上交通センターからの右側航行を維持するようにとの情報提供を指示と思い、右側航行する態勢のSULPHUR GARLANDに対して、第二和光丸がいずれ右転し、左舷を対して通過すると思ったことによるものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。